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I-V500w I-V カーブトレーサー

 I-V500w は、ハンディータイプの I-V カーブトレーサーで、ストリング電圧が 1,500V 以下の太陽光発電所のメンテナンスに最適です。

概要

 現場の日射量とモジュールの温度を測定して実測値を STC 演算し、モジュールの定格値と比較して、出力が出ているか算出することができます。

 これにより、定期点検時に測定値を比較することで、モジュールの汚れや劣化による出力低下を見つけることができます。

 

 

特徴

 

絶対値による比較

影・セルに異常があるストリングが存在する I-V カーブグラフ

 実測値による相対比較のデータは影の影響や、モジュールの不良で波形が大きく変化している時には視覚でわかり効果的です。

ただし、日射量( 日光の量 )により電流が変化するので、雲がある時には日射量が一定せず、波形が上下するため、相対比較はできません。そのため、定期検査で使用するときには注意が必要です。

 モジュールへの埃の堆積や、劣化による発電量の低下は、どのストリングも同じように性能が落ちるため相対比較をしてもわかりません。そのため STC 換算をしてモジュールの規格値と絶対値比較をすることが必要です。

 

日射量が変化したときの I-V カーブグラフ

 

 現場では、天候による日射量の違いにより発生する電流に差が出るので、合否判定が分かりずらいのが現状です。

 I-V500wは、モジュールに降り注ぐ日射量とモジュールの温度を測定しSTC換算します。定格値と比較して絶対値として算出するので、太陽電池セルの不良だけでなく、定期点検ごとに比較することで、劣化による出力低下を判断することができます。

 STCとは、モジュールの定格値を算出するときの条件で、日射量:1,000 W / m2・モジュール温度:25 ℃と、IECJIS で定められており、この条件で各メーカーは性能表示をしています。

性能が落ちた状態

絶対値比較

 I-V カーブトレーサー I-V500w は、実測現場の日射量とモジュール温度を同時に測定し、実測値をメーカーで性能を算出している条件( STC )に計算し、 同一条件にてみることができるので【 絶対値比較 】することができます。

画面表示例

実際に I-V カーブトレーサー I-V500w にて 183 W のモジュールを測定した時の表示画面です。

183 W のモジュールを測定したときの表示画面

 

I-V 測定部仕様

測定項目 測定範囲 分解能 精度
DC電圧( OPC )

I-V カーブ測定は、Voc > 15 V で測定できます。

15.0 ∼ 1499.9 V 0.1 V ( 15.0 ∼ 99.9 V )

0.3V ( 100.0 ∼ 1499.9 V )

± ( 0.5 % rdg + 2 dgt )
DC電流( OPC ) 0.10 ∼ 15.00 A

DC 電圧1000 V 未満は15 A

DC 電圧1000 V 以上は 10 A

0.01 A ± ( 1.0 % rdg + 2 dgt )
電力( OPC ) 50 W ∼ 99.999 kW 1 W ± ( 1.0 % rdg + 6 dgt )
DC電圧( STC ) 15.0 ∼ 999.9 V 0.1 V ± ( 4.0 % rdg + 2 dgt )
DC電流( STC ) 0.10 ∼ 15.00 A 0.01 A ± ( 4.0 % rdg + 2 dgt )
電力( STC )※ 1 50 W ∼ 9.999 kW 1 W ± ( 5.0 % rdg + 1 dgt )
日射量(付属 HT-304 使用 ) 0 ∼ 1,400 kW / m² 1 W / m² ± ( 1.0 % rdg + 5 dgt )
モジュール温度( 付属 PT300N 使用 ) − 20 ∼ + 100 ℃ 0.1 ℃ ±( 1.0 % rdg + 5 dgt )

※ 1:STC はモジュール 1 枚当たりに換算した表示になります。

   電力( STC )の精度は、日射量 > 700[ W / m² ]で AM = 1.5、およびモジュール温度が + 15 ℃ ∼ + 65 ℃の条件で保証される数値です。

一般仕様

ディスプレイ LCD 128 x 128 pxl.
電源 6 x 1.5 V アルカリバッテリー
オートパワーオフ 無操作時間 5 分後、同機能の ON / OFF 設定ができます。
測定データ保存数 I-V カーブ 249 データ、IVCK 999 データ
I-V 測定方式 電子負荷方式、開放 ⇒ 短絡方向スキャン、128 point
I-V 測定時間 約 6 秒 ( スキャン時間 + 演算時間の合計 )
PC インターフェース 光学式 USB ポート
測定カテゴリー CAT Ⅱ DC 1000V、CAT Ⅲ 対 アース間 300V、入力端子 P1、P2、C1、C2 は最大 1500 V
安全規格 IEC61010-1 準拠 CE マーク付
外形寸法 約 165 W x 235 D x 75 H mm 1.2 kg

標準付属品

日射センサー HT304K( 日射計固定金具 ST304 付き )
日射角度計 M304
温度センサー PT300N
データ解析ソフト TOPVIEW2006
ハードキャリングケース VA500
I-V 測定プローブ

KITGSC4   ( バナナジャック ⇔ バナナジャック、ワニ口クリップ、黒・青・赤・緑 各 1 本 )

KITPVMMC4( MC4コネクター ⇔ バナナジャック )

ハンズフリーキット SP-0500
校正証明書 ISO9001 ( 本体、日射センサー )
取扱説明書 和文、英文

オプション

リモートユニット SOLAR-02  温度と日射量のデータロガーで、接続箱やPCSと太陽光パネルとの距離が2m以上の時に必要です。

SOLAR02

測定ケーブル KITKELVIN  DC1500V まで使用可能な IV 測定用テストリードです。
 接続箱の端子部分で安全に I-V カーブの測定を行うことができます。

KITKELVIN

I-V 測定プローブ KITPVMC3  ( MC3コネクター ⇔ バナナジャック )
 MC3 コネクターの太陽光発電パネルに接続できます。
延長測定ケーブル KITPVEXT25M  25mの延長測定ケーブルです。

延長測定ケーブル

 

I-V カーブトレーサー測定上の注意点

I-V カーブトレーサーでモニタリングシステムが取り付けられているストリング・モジュールの I-V カーブを測定するときの注意

 I-V カーブトレーサーで MPPT 回路が内蔵されているモニタリングシステムを取り付けているストリング・モジュールの I-V カーブ測定は行わないでください。測定器およびモニタリングシステムを破損させる危険性があります。

 

I-V カーブトレーサーで昇圧ユニットが取り付けられているストリング・モジュールの I-V カーブを測定するときの注意

 昇圧ユニット付きのストリング・モジュールにおいては、 I-V カーブおよび IVCK の測定を行わないでください。測定器および昇圧ユニットを破損させる危険性があります。

 

なお、HT 測定器の IVCK 測定、PVCHECK での絶縁試験にも該当します。

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